隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
、、絶対そういう事じゃ無いと思う。
でも莉子ちゃんが付いてきてくれると分かった途端、安心したような表情を浮かべる彼。
「ありがとう、山下さん。そうしてもらえると助かるよ。晶帆は自分のことをあんまりよく分かってないからね。」
「でも、そういう所も可愛くて仕方ないんでしょう?津川さんは。」
からかう莉子ちゃんの言葉を聞いて、彼は一瞬驚いた顔をしてそれから柔らかい表情で目を細めた。
それはまるで莉子ちゃんの冗談を肯定しているように見えた。
彼があまりにも優しい表情をするから、1人でいくなんて言えなくなってしまった。
食事を済ませ、足取り軽く帰っていく忙しい彼を2人で見送る。
すると彼の姿が見えなくなった途端、あちらこちから陰口が聞こえる。