隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


、、絶対そういう事じゃ無いと思う。




でも莉子ちゃんが付いてきてくれると分かった途端、安心したような表情を浮かべる彼。






「ありがとう、山下さん。そうしてもらえると助かるよ。晶帆は自分のことをあんまりよく分かってないからね。」

「でも、そういう所も可愛くて仕方ないんでしょう?津川さんは。」




からかう莉子ちゃんの言葉を聞いて、彼は一瞬驚いた顔をしてそれから柔らかい表情で目を細めた。

それはまるで莉子ちゃんの冗談を肯定しているように見えた。

彼があまりにも優しい表情をするから、1人でいくなんて言えなくなってしまった。



食事を済ませ、足取り軽く帰っていく忙しい彼を2人で見送る。









すると彼の姿が見えなくなった途端、あちらこちから陰口が聞こえる。


< 50 / 330 >

この作品をシェア

pagetop