隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


そうやって目で追えば、自然と彼女の置かれている状況が浮き彫りとなった。







異性からは熱い視線。

同性からは妬むような冷たい視線。


食堂でもいつも1人で、彼女の近くには男性ばかりが寄ってくる。

それを喜ぶような女ならこんなに気にならないのに、少し怯えたような表情をするその子を放っておくことなんて出来なかった。




気づけば隣に座って食事をして、一緒に部署に戻ろうと声を掛けていた。











これが晶帆との始まり。

一緒に過ごすようになって気づいたことだが、彼女は自分がモテる自覚がまるでなく、それがまた晶帆を守らなけばと強く思わせた。

庶務課に配属されている時はまだ良かった。








中途半端な時期に受付嬢が寿退社した。

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