隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
そこで晶帆に白羽の矢が立った。
確かに適任だと思う。
仕事には真面目で、それでいて美人で会社の顔となる受付嬢にはぴったりな晶帆。
受付に立つからには、それなりの格好を求められ今までほぼ素っぴんだったシミ1つない綺麗な肌には化粧を施し、地味だった庶務課の制服を脱ぎ人気のある受付嬢の制服を身につけた。
会社のロビーに立ち、大勢の人達に優しく微笑む晶帆。
何もせずとも一際目立つ容姿が、更に洗礼された美しさへとなり受付は一気に華やかに。
誰もが目を惹く存在となった。
当然、異性からのアプローチは連日後を絶たず同性からは醜い嫌がらせが続いた。
晶帆は精神的にも肉体的にも追い詰められ、見るに耐えられないほど弱っていった。