隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「晶帆〜、津川さん呼ぶよ〜?」
小さくそう呟くと、眠っていた筈の晶帆が突然顔を上げ目を開ける。
「圭君は駄目だよっ、、!今日は大事な接待があるっていってたでしょう?私は、、大丈夫だから絶対に連絡しないで、、お願い、、。」
寝ぼけているのか、最初は声を大にして言葉を発していた晶帆も次第に声が小さくなる。
そして最後にはまたテーブルにうつ伏せになり、目を閉じた。
微かに聞こえる寝息。
津川さんに連絡せずに、1人で晶帆を介抱してあげたいのは山々だがさすがに自分も久しぶりのアルコールに少し酔っていて、介抱してあげられそうない。
仕方なく、携帯の電話帳から津川さんを探し出し通話ボタンを押す。
ワンコールで繋がり、現状を伝え電話を切った。