隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「、、何無視してくれてんの?」
黙り込んでいた私に、更に低い声を出す。
さすがにこれには恐怖を感じた。
すると後ろから店長から救いの声が。
「そんなに莉子ちゃんを責めないでやってよ〜圭君。何度もナンパ男も追い払ってたし、これでも莉子ちゃんは何度も止めたんだよ。でもまぁ、晶帆ちゃんだって大人だから飲みたい時もあるでしょ。だから女の子にそんな怖い顔しないでやってよ〜〜。」
店長の言葉を聞くとため息をついて、晶帆に手を伸ばす。
触れたのは少し赤い頬。
壊れ物に触れるかのような仕草に、この男が晶帆をどれだけ大事にしているか見て取れる。
表情も私に向けた冷たい目と違って柔らかく、優しく愛おしそうに見つめる。
「、、本当、晶帆ちゃんにだけはいい表情するね〜〜。そんなに大事ならさっさと自分だけのものにしちゃえばいいのにね。」