隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


心の中で店長と同じことを思っていた。





そんなに大事ならもっと言葉にすればいいのに、想いを伝えて閉じ込めてしまえばいいのに何故かこの男はそれをしない。

想いあっているのは明らかなのに、それでもこの曖昧な関係を続けるのはきっと晶帆と同じ理由なのだろう。





想いを伝えて、この関係が壊れるのを恐れている。

お互い本気な相手が出来たのに、、、いや、この男に関してはきっと最初から本気だった。




でもそれを伝えることが出来ずにいるのだろう。


大事だからこそ、踏み出せない。

それは、私も同じだからよく分かる。





店長に想いを伝えて、振られて結果ここに来れなくなるのを恐れている。

それならば一層、何も伝えずにいようと心に決めている。




< 68 / 330 >

この作品をシェア

pagetop