隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「津川さんっ、、私の分はちゃんと払います!お昼もご馳走になりましたし。」
「いや、晶帆の買い物に付き合ってもらったお礼だから気にしなくていい。連絡もらって助かったから。」
ニコリともせず、淡々とした口調でお会計を済ませてしまった。
「でもっ、、、。」
2人してだいぶ飲み食いしたから、金額もかなりしてしまった筈だ。
申し訳なくてゴネていると、今度は店長が優しく声を掛けてくれた。
「圭君は課長さんなんだから、こんな金額大したことないよ。だから莉子ちゃんは安心して払われておけばいいんだよ。さっきは八つ当たりもされたしね?慰謝料とでもおもってさっ!」
それを肯定するかのように、背を向け寝ている晶帆の方へと歩いて行ってしまう。
そんな後ろ姿に、小さく声をかける。