隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


兄のような言い方の店長に、少しチクリと痛む胸を押さえながらも今日は可愛い晶帆を見習って素直に甘えて見ようと思った。





「じゃあ、、お言葉に甘えてもいいですか?」




普段なら絶対に言えないようなセリフをアルコールが手伝って躊躇なく言葉に出した。


そんな私らしくない言葉を聞いて、一瞬驚いてそれから優しく笑ってくれた。







「勿論、お手をどうぞ。お姫様?お車までご案内しますよ。」

「ありがとうございます。」





差し出された手に、自分の手を重ねる。

握られた手はあったかくて、はにかんだ笑顔の店長と目が合うとそれだけで心がフワフワとした。

勇気を出して良かったと思うと同時にあの2人も、もっと自分の気持ちに素直になって、幸せを味わって欲しいなと心から思った。





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