隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
圭君の顔色を伺うと、少し怒っているのか目を細めてこちらを見ていた。
優しい彼が怒るのも当然だ。
華の金曜日だというのに偽りの恋人だというだけで迎えに行かされて、介抱させられて折角の週末を私の所為で無駄に過ごしてしまった。
3年間、偽りの恋人として過ごしてきて初めて失態だ。
こんな面倒臭さい女、、思い出を作る前にダメになってしまうかもしれない。
そう思うと涙がじわじわと滲んできてしまう。
ここで泣けば、優しい彼に更に迷惑を掛けてしまう。
下を向き、唇を噛んで必死に涙が溢れないように耐えていると彼の手に顎を掴まれた。
切ない表情を浮かべる彼と目があって、そんな彼が一言呟いた。
「何も無かったからいいものの、いい大人が記憶無くすほど飲むなんて、、2度とこんなことがないように少しお仕置きしないとね、、?」