隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


持っていたコップに口を付けると次の瞬間、彼の顔が近づいてきて少し乱暴目にキスをされた。

口の隙間から少し緩い水が流れ込んできて、息が出来ず苦しい。

彼の胸を叩いてみるが離れる気配はない。





口移しの水を飲み干し終わると、ようやく彼の唇が離れていって酸素を手に入れた。

少し荒くなった呼吸を整えていると、何故かまた彼が近づいてきて水を与えられる。


それはコップの水が無くなるまで続き、喉が潤うころには酸欠を起こしそうになっていた。



水を飲み終えはぁはぁと肩で息をしていると、無言でキツく抱きしめられた。


痛いくらいの力に胸が締め付けられる。








「、、少しは反省した?これでも結構怒ってるから。2度こんなことがないようにして。」



怒っているという割には、声は優しくて泣きそうになった。


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