隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
だから記憶が無かったとはいえ、今日初めて2人で朝を迎えた。
忘れられない思い出が1つ出来た。
それだけでも嬉しい出来事だったのに、圭君と何処かに出かけられる、、?
気まぐれかもしれないが、こんな機会もう2度とないかもしれない。
彼の気が変わらないようにと、慌てて言葉を発した。
「そ、それならっ、、!海、、、に行きたい、、です。」
「海?いいけど、なんで海?、、なら海沿いをドライブにでも行こうか。」
「ううん、ドライブじゃなくてね、、?その、、圭くんと海で泳ぎたいなって。昨日水着買ったのっ、、。だからそれで、、その、、。」
呆れただろうか。
アラサーにもなって海に行きたいなんて。
一度も行ったことのない海。
彼とさよならをする前に思い出作りの1つとして最初で最後の海に、、どうしても彼と行きたかった。