隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「、、、ね?俺の言った通り、彼女はとびきり可愛いでしょ?分かったらそこ、、通してくれないかな。」
目を細めて微笑む彼に、取り囲んで女性陣が引きつった表情を浮かべて少し離れた。
それを見て満足そうな顔をした彼にそのまま肩を抱かれ、その場を後にした。
「晶帆が遅いから大変だった。彼女を待ってるって言っても全然信じてくれないしね。、、、まぁそれは良いとして。」
急に立ち止まった圭君は、ちらっとこちらを見て少し不機嫌そうな顔をしてから自分が着ていた黒のパーカーを脱ぎ出した。
そしてそれを肩に掛けられた。
「、、、え?」
「ソレ、着ておいて。」
直ぐに逸らされる視線。
もしかして、年甲斐もなくって思った?
みすぼらしいからパーカーでもって事、、?