隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


浮き輪がなくなり恐怖で彼の首にしがみつく。






「大丈夫。俺がついてるから。怖いならほら、もっと強く抱きついて?」



必死で彼の逞しい身体に身を寄せて、力一杯しがみついた。








「ねー見て、あのカップル。」

「わぁー、、、本当凄いラブラブ。」




必死過ぎて人目を気にするのを忘れていた。

近くの女性の二人組の声で我に返った。







「圭くんっ、、!浅瀬に戻ろう?!」

「ん、急にどうしたの?少し疲れた?」

「う、うんっ、、!少しだけ。」

「分かった、じゃあ休憩しよう。戻るからしっかり掴まってて。」







彼は私を片手で抱いたまま、器用に泳いで浅瀬へと戻っていく。

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