隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
怖くて声が出ない。
引きずられながら浜辺を歩いていると、急に後ろから強い力で抱き寄せられた。
『、、、俺の女に気安く触るな。』
顔を見なくても誰かわかる。
大好きな彼の声。
彼の匂い、温もり。
その温もりに包まれた途端、震えが止まる。
もっと安心が欲しくて自ら彼に抱きつく。
それに気づいた彼もしっかりと強い力で抱きしめ返してくれた。
「何なに〜〜?邪魔しないでくれないかな。俺ら今からその子と気持ちいい事する予定だったんだけどー。あ、君も混ざる?」
無理やり手首を握ってきた男性の言葉に、恐怖が蘇ってしまいビクッと肩が跳ね上がる。