銀河のアイナ
8 話 「アイナの母」
ロマンシア「とにかく」
「私の住んでるアパートが近くにあるから
このまま着いて着なさい」
俺 「は・・・い」
凉子は雪が積もった道を
ビシャビシャと音を立てて、軽自動車で去った
俺 「あれ?」
「こっちの道に行くと、俺が住んでる町内になるな」
ロマンシア「あそこを左へ...
...曲がると、木造アパートが
そこにアタシが住んでる部屋があります」
俺 「アイナは?」
「アイナは今何処に住んでいますか?」
・・・・・・・・・
俺「あと、」
「アイナが家を出た理由は何でですか?
まさか
結婚したとか?」
ロマンシア 「・・・・・・・」
沈黙が続いた
ロマンシア「アイナも..
やっぱり結婚したかったのかねぇ・・」
「あの子は男運が本当になくてね・・・
いや・・・
正確に言うと、
中学3年生のある時期から
「男運だけじゃなく・・・・」
男運だけじゃなくなんだ?
俺は心の中で、
母であるロマンシアさんに問い詰めていた
ロマンシア「学力も、運動神経も」
「あの子の全ての生命力が、
みるみる落ちていった」
そして、アパートの1階「103号室」
二人は足を止めた
俺「中学3年のある時期・・・・・?」
俺 「ロマンシアさん!
「実は アイナが大切にしていた リボ・・」
俺の言葉はすぐに遮られた
ロマンシア「赤のリボンだよね?
分かってますよ だから会いに来たのよ」
へ?
ロマンシア「昨日、
君の中学時代の同級生から電話が来て、
君がアイナの居場所を探してるみたいだって
で、何となく
察して・・・
「リボンの事かな・・・とね」
ロマンシアさんは、
103号室の玄関の扉に手をかざした
ロマンシア 「さぁネズ君
「お入り」
俺はアイナに対しての罪悪感で
冷たくなった心に
暖かい光が照らした
ロマンシアさんの目線の先には、
確かにアイナが居た
俺ではなく、
遠くで生きているアイナが居た
そんな気がしたのだ。