突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
最終章 シンデレラは帰れない
「どうした」
お風呂から上がり、ソファーでコーヒーを片手にひと息ついていた。柔らかな声が降ってきて、顔を上げる。
「創」
浴室から出てきたばかりの彼は、服ですら身に着けていたが、髪は今日も濡れたままだった。雫がポタポタと滴り落ちている。
「風邪引くわよ。明日は、婚約パーティーなのに」
マグカップを置いて、呆れ顔で見つめた。隣に豪快に腰掛けてきた彼は、私にもたれかかる。芯のある重みが身体にのしかかり、鼓動が仕事を速めていくのを感じた。
「日菜子」
「なに?」
平静を装い、取り澄まして答える。
「いよいよ明日だな」
彼はなにを思っているのだろう。横目に見ても、彼は瞼を落としていてその表情まではわからなかった。
お風呂から上がり、ソファーでコーヒーを片手にひと息ついていた。柔らかな声が降ってきて、顔を上げる。
「創」
浴室から出てきたばかりの彼は、服ですら身に着けていたが、髪は今日も濡れたままだった。雫がポタポタと滴り落ちている。
「風邪引くわよ。明日は、婚約パーティーなのに」
マグカップを置いて、呆れ顔で見つめた。隣に豪快に腰掛けてきた彼は、私にもたれかかる。芯のある重みが身体にのしかかり、鼓動が仕事を速めていくのを感じた。
「日菜子」
「なに?」
平静を装い、取り澄まして答える。
「いよいよ明日だな」
彼はなにを思っているのだろう。横目に見ても、彼は瞼を落としていてその表情まではわからなかった。