死神メルの大事件
「ご気分はいかがですか」
答えられる訳がない。話せる言葉は「あ、う」ぐらいのものだ
言葉が伝わらないというのは考えていた以上に辛いものだった。おかずが熱いとも言えず吐き出すしかなく、トイレに行きたくともその場で垂れ流すしかなかった
もはや拷問ともいえる生き地獄――この先の人生などあってないようなものだった
「今日はちゃんと冷ましましたからね。昨日みたいに全部吐き出さないで下さいよ」
赤ん坊にそうするように、頭を支えられながらの食事
確かに熱くはなかったが、冷ましたというより冷や飯を食べているに等しく、味など分かるはずもなかった
惨め――今のこの状況を惨めと言わず、どう表現すれば自分を納得させられるだろう
早く死にたい……