死神メルの大事件
「あの、一つ質問して良いですか?」
「なんだよ……つか、まず先に謝れ」
くしゃみで毛並みが乱れたのでしょうか。まるでデートに出掛ける前のように近くのミラーで毛繕いをしています
なんかその仕草がどことなく可愛いです
「なんで死神の力になってくれるんですか?」
「……あぁ?別に良いじゃねぇか、んな事はよ」
ミラー越しに色々な表情を浮かべ、満足したのか再び私の肩へ降りてきました
うーん、さすがにもう一度マサオさんにくしゃみしたらまた蹴られそうですね
「いえ、死神って本来嫌われてなんぼのお仕事なので協力して頂ける事はほとんどないので……」
「なんだお前、もしかして……」
「はい?」
「俺を見て胸が高鳴ってたりするのか?」
「いいえ、そんなんじゃないです」