死神メルの大事件
「マサ、オ……」
「おぉ、ここに、ここにいるぞ?ん?なんだ?」
「ご、ごめ……ごめん、ね……」
さっきまでマサオさんを優しく撫でていた手が真っ赤に染まって……でも、それでもマサオさんの背中を撫でようと必死に――
「謝るくらいなら死ぬんじゃねぇ!認めねぇ、認めねぇぞ!こんなのアリかよ……ちくしょう……」
聡坊さんの瞳から次から次へと涙が溢れ始め……だ、駄目です。も、もう時間が――
「メル!どうにかならねぇ――」
私の方を向いた瞬間、マサオさんの背中にあった手がすとん――と落ちて
「……おい、聡坊?」
「マサオさん……聡坊さんは、もう……」
「っざけんなよ……ふざけんなよ!聡坊ぉぉっ!!」