死神メルの大事件
「僕大好きなんだ!甘くて美味しいよ?なんたってママが剥いてくれたんだから」
誰が剥いたって味まで変わりゃしねぇよ。そんな子供じみた食い物より――
「んー……美味しい!」
てめ、一緒に食うんじゃなかったのかよ……俺に断りもなしに食べてんじゃねぇ。
……しゃあねぇ、そろそろ腹が減ってきたところだ。食ってやるがお前に屈した訳じゃねぇからな、勘違いすんじゃねぇぞ。
「あはは、食べた食べた」
っせぇな、生きてりゃ誰だって物は食うだろうが。
「マサオ!」
「マ、ママ……」
「またあんたは……烏なんかにあげたら駄目っていつも――」
「烏じゃないよ!マサオだもん!」
また始まりやがった……このババァは何かにつけて俺を目の敵にしやがる。
ま、いつも通り無視しとけばほとぼりもさめて――