死神メルの大事件
「いいですかぁ?人間の魂って、すぅごっく繊細なんですよ。女の子を扱うように魂も優しくですねぇ……」
「先生、女の子ってそんなに弱いんですか」
「んー、弱いというか優しく扱うのが常識というかですねぇ……」
臀部まで伸びた髪は床すれすれのところで羽のように浮かしながら生徒の質問に応えているメル
死神という仕事を三年も続けているとその功績から、将来この仕事につくであろう魂達に教授する事が増えてくる
それはメルとて例外ではなかった
「でも逃げられたら地縛霊になるんですよね。そしたら後々面倒な事になるじゃないですか」
「あ、その時は掃除機でこう、きゅー……とですね――」
言い終わらぬ内に終礼のチャイムが鳴り、それと同時に生徒達は散り散りに姿を消していった