死神メルの大事件

「で、では先に行っておきますので」
「あぁ……俺と合流する時には事件解決しとけよ」
「む、無茶苦茶です」

 泣きそうな顔で夕日の空を飛んでいったメル。
 不思議な奴だ。死神ってのはそれだけで暗いイメージしかねぇのに、あいつに至ってはそんな雰囲気は微塵も感じねぇ。
 へ、閻魔の言った通りの奴だな。

「聡坊、すまねぇ……もう少しこのままでいてくれな」
 あの別れから半年が過ぎ、再会したと思えば唐突すぎる別れ――この現実を受け入れる前にやらなきゃならない事がある。

 行き先は――聡坊の家。
< 56 / 81 >

この作品をシェア

pagetop