笑顔咲く君の顔が見たい
1
私は東雲咲稀。教科書からここ、明桜高校の1年生になります。
「咲稀おはよう…」
「萌結おはよう!」
萌結ちゃんこと原口萌結は私と小学1年生の頃からの親友。中学校では3年間、同じクラスにはなれなかったけど高校では同じクラスになれたから嬉しい今日この頃。
「萌結…どうしたの?眠そうだね」
「うん。ちょっと寝不足で…」
寝不足か…入学式前で眠れなかったのかな?
「そっか…今日無理しちゃダメだからね」
「うん。ありがと」
ガラッ
「座れ座れ」
ゲッ。あいつは体験入学に来た時に私に…
「小学生か?お兄ちゃんかお姉ちゃん探してんの?」
つって私を小学生だって間違えた奴じゃん。
まじあいつが担任とかだったらついてないわ。
そーいえばあの時緊張してて何も言い返せなかった時に「こいつは体験入学に来た奴です。」って言ってくれたあの笑顔咲く1つ見せない、表情固い先輩。卒業しちゃったかな…それとも2.3年?
「よし、じゃ俺の自己紹介は終わったことだし次は隣同士で自己紹介してみろ。」
え、まじか。隣は…。あの人…もしかして。
「花園由良。もいっかい1年生やります。よろしく」
「あ、あえっと東雲咲稀です。よろしく。」
「ねー東雲さん。僕たち1回会ったことあるような気がするんだけど。」
「は、はぃ」
「ま、覚えてないし聞いても無駄か。」
スタッタッタッタッ
「おい。花園どこいく。」
「保健室。」
ザワザワザワ
やっぱりあの人、あの表情固い先輩だ。
「ったく。おい、隣の…ひがしぐも。保健室まであいつの保健票届けてこい。」
ひがしぐも?私?
「おい!聞いてんのか?」
「えと。私ですか?」
「そうだ、お前しかいないだろ。」
ッタッタッタ バッ カサッ
「私は東雲咲稀です。お見知り置きを。」
「あ、すまん…な。」
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