地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密
「梨衣子さん、見えますか?あの白い建物。今からあの城に向かいます」
マオが指差す先には、あの有名な遊園地の象徴的なお城によく似た建物がそびえ立っていた。
「お姫様でも住んでるの?ていうか、なんであんな所に行くのよ。まだ教えてくれないの?」
「……到着してからお教えします。ただ、梨衣子さんがこの世界にいることは城の者以外に知られてはなりません。ですので、くれぐれも変な真似はしないように」
「変な真似って…それはあんたが私をここに連れてきたことを言うんじゃないの?私はそんなことしないわよ」
マオは「そうですね」と言って笑った。
こんな嫌味に対して、笑っている意味がわからなかったけれど、悪い奴ではないのだとどこかで感じた。