地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密
「城へ入れ」
マオのその言葉で、私たちを乗せた雲の乗り物は、お城の横にある入口らしき空間に吸い込まれて行った。
真っ暗なトンネルのようだったが、入った瞬間、前から順に電気がつく。
高速道路に度々ある、あのトンネルを思い出した。
雲はスピードを落として停止し、床スレスレまで来ると、煙となって消えた。
正座で座っていた私は1センチほど、そのまま下に落ろされる。
少しだけ膝が痛かった。
「梨衣子さん、着きました。さあ、中へ…」
周りの電気が逆光となり、真っ黒なシルエットのマオが手を伸ばしている。
私は顔を背け、自分で立ち上がった。
マオは何も言わずに前を歩く。
私もその足の行く通りついて行った。
暗い道を歩いて階段を上り、扉を開けると、本物のお城のような廊下が、長く奥へと続いている。
童話のお城へ来た気分だった。
壁についた、いくつものアンティークなランプが、別世界という雰囲気を醸し出している。
辺りを見回していると、レッドカーペットが伸びた先から、マオと同じ服装をした人が走って来た。