地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密
学校に入った途端、異様な目で私を見る人たち。
友達も特にいない。
ズカズカと教室に行き、席につく。
視線が集中し、静まり返った教室。
居心地が悪い。
こんな場所、大嫌い。
今すぐにでも、どこかへ逃げてしまいたかった。
私の大好きな人達がいるところへ、行ってみたいと思った。
ただそれは、今の私には難しい。
そんな考えが巡っていると、誰かが目の前に立ったことに気づいた。
「高畑、ちょっと来い」
低い声が頭上からかけられ、視線を少しあげる。
そこには、学年主任であり生徒指導部の代表の体育教師だった。
廊下かどこかで私を見つけたのか、ついてきたみたい。
面倒臭いと思いつつも、高身長で体格も良く、生徒から怯えられる存在のため、私は言われたままに立ち上がり、その男についていった。
まあ行くところは大体分かっているし、何を言われるかも当然分かりきっている。
案の定、生徒指導室でお叱りの刑だった。
二人だけの狭い部屋で、窓の外から、朝練が終わった人達の笑い声が聞こえてくる。
静かな沈黙を、先生が破った。
だが、そんなに怒鳴るようなことはしない。
静かに低い声で、淡々と話す。
おそらく、私が美人や成績優秀でなかったら、こんなものでは済まなかったんだろうな。
「すみません」と、反省の気持ちひとつない言葉を並べ、早くこの瞬間が終わることだけを望んだ。
「まあ、お前んところ、家庭環境複雑だから、反抗したくなる気持ちもわからんでもないが、しっかりしてくれよ。あと、今日はもう帰れ、そんで染め直してこい」
はい。とだけ言ってそのまま生徒指導室を出る。
帰れ、というのは特例だな、と思いながらも、私はこのまま家に帰ることはできなかった。