地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密

「え…」

そこに立っていたのは、男。

でも、そんなことよりも気になることが多すぎて、私は眼球を上下させた。

端的に言うと、どこかの童話の王子様が着るような服装。

白をベースとして、黄緑のラインがみぞおちから両肩にむかい、V字型に入っている。

ボタンは白い布で包まれており、ズボンまでも白。

ズボンのポケットからは金色のチェーンがぶら下がっている。

そして、一番気になるのが、思いっきり立っている首元の白い襟。

それも耳元まである長い襟。

髪の毛は群青色で、正面から見るとその髪型はM字型になって見える。

目はたれており、瞳は黒く見えるが、若干青みがかっていた。

最後に、全身を一気にみたが、独特すぎて、やはり頭に浮かぶ言葉は『ダサい』の一言だった。


久々に、ここまで男性をまじまじと見たと思う。

変人だ、変人、と思いながら鞄を持ち上げ、立ち去ろうとしたその時。

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