夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
(2)
この状況のせいだろうかーー?
私達を包むオレンジ色の陽が出掛けた時よりも濃くなって、辺りが薄暗くなったように見える。
な、に……?
何が、起こってるの?
突然起きた出来事に、私は驚いて混乱していた。
目の前に現れた、怪しい三人の男。
一人はモニカ様を羽交い締めに。
その両脇にも男が一人ずつ立っていて、私をニヤニヤしながら見つめている。
「女が二人、か……。
おい、どっちが狙いの女だ?」
「さぁな。
おい!アカリってのはお前か?」
驚きで、まだ状況の整理がついていない最中。男の一人がモニカ様に顔を近付けて尋ねた。
”狙いの女”と”アカリ”と言う言葉。
この男達が誰を狙ってこんな事をしているのか、なんとなく悟る。
ーーでも、どうして?
心の中で問い掛けるが、目の前の敵は待ってはくれない。
気持ちが追い付かない私の瞳に、怯えて震えているモニカ様に男が手を振り上げる姿が映った。
「っ……おい!
答えろやッ……この女っ!!」
「!……やめてッ!!」
バシンッ……!!
と、鼓膜に響く音とビリビリした頰の痺れ。
咄嗟にモニカ様と男の間に入った私の頬に、勢い良く振り下ろされた男の手が思いっきり当たった。