夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
ーーけど。
両手を拘束されて、長いスカートに少しヒールの高い靴。
慣れない山道を上手く走る事が出来ず、つまずいた私はドサッと地面に倒れ込んだ。
「ッ……!」
受け身も上手くとれなくて、地面に叩きつけられた身体に痛みが走る。
が、今はそんな事を気にしている場合ではない。
すぐに起き上がろうと必死で身をよじる私。
だが、その時すでに……。
視線の先の地面には、複数の足元が見える。
さっきリーダーに手を貸していた男達が私を取り囲んで、見降ろしていたのだ。
っ……。
まだ、いたんだ……!
じりじりと詰め寄られ、まさに袋の鼠状態。
そんな私に追い討ちをかけるかのように、忍び寄る影ーー。
「……やれやれ。
あまり手荒な事はしたくないんだけどねぇ」
その声にゾクッとした瞬間には……。
もう、追い付いたリーダーの手が、私の胸ぐらを乱暴に掴んできていた。
強引に引き寄せられて、その衝撃で裂かれたブラウスがビリッと音を立てて、ボタンが数個辺りへ飛び散る。