夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「……あんたの負けだよ。夢の配達人さん」
「あん?お前なに言ってんだっ?!」
一瞬で告げられる勝負の終わり。
その”負け”の意味が分からず声を上げるリーダーに、勝ち誇った笑顔を見せるバロン。
「だってさ。あんた達夢の配達人は……。
”コレ”を取られたら、負け……なんだろ?」
「!っ……お前ッ!いつの間にっ!?」
バロンの左手には、親指と人差し指に挟まれている勝利の証ーー。
夢の配達人の証であるバッジが、輝いていた。
バッジを奪われたリーダーは、当然焦りの色を隠せない。
先程までの余裕が嘘のように慌てふためき、汗をかきながら奪われたバッジを見つめていた。
「ふ~ん、金色か……。
あんたみたいな人が金バッジの夢の配達人なんて世も末だね」
バロンはバッジをピンッと指で弾いて、自分の左手で握り締める。