夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「!っ……」
彼と瞳が重なって、思わずドキッとした。
色素の薄い、髪と同じ綺麗な白金色をした優しい瞳。
金色、ではない。
異国からやって来た旅人は今や珍しくはないが、その姿はまるで特別に選ばれて磨き上げられた月毛の馬のようで……。
今まで私が見てきた男性とは、全く違う美しさを放っていた。
突然目の当たりにした神々しい姿に、目を奪われる。
「っ……君、は?」
「!っ……あ、わ……私は!ア、アカリッ」
ボーッと見惚れていたところに不意を突かれ、彼にじっと見つめながら問い掛けられた私は、すっかり動揺して思わず声が上擦った。
は、恥ずかしい……。
カァッと熱が高まる。
絶対に赤い両頬を押さえながらサッと顔を逸らすが、彼は私の動揺などあまり気にしていない様子。
「……」
暫く黙り込んでいた彼は、ゆっくりと上半身を起こして辺りを見渡して……。
遠くをみつめたまま、しかめっ面を浮かべた。
どこか様子が変だ。