夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

ーーコンコンッ!


「お嬢様、ローザです。
失礼してもよろしいでしょうか?」

バロンの妄想に浸っていた最中。
突然のローザの訪問に、私の心臓はドキンッ!と跳ね上がる。


「は、はいいっ……!ど、どうぞッ!」

「失礼致します」

ガタッと椅子から立ち上がり、私はサッと身体をローザの方に向けた。
動揺して笑顔を引きつらせている私とは反対に、部屋に入ってきたローザはいつもと変わらない様子。

その姿を見て、ハッとした。


昨日の事件でバタバタしてすっかり忘れていたが、もしかしてローザがここに来た理由はーー。

私がモニカ様に怒鳴ったから。
私がモニカ様に失礼な対応したから。

では、ないだろうか?!
そう、つまりはこの一週間のお説教!!


「やっぱり貴女様にはここのお嬢様としての自覚が足りません!」とか、言われるのではないか?

そんな考えが頭を下げよぎり、汗をタラタラ流しながら見つめていると、ローザがスッと私に向かって深く頭を下げた。
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