夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
更に、あんなキッチリした制服を着ていても警備達を凌ぐ身のこなし。
長身で細身。
というイメージしかバロンには湧かないが、ローザが嘘を吐くとも思えなかった。
茫然と話を聞く私に、彼女は勉強用具をしまいながら話し続けてくれる。
バロンの休憩時間のほとんどが食事の時間であり、普通の成人男性の食事量、約3~5倍は余裕で平らげてしまう事。
昨日今日はそれ以上で調理担当の厨房の人達を困らせていた事。
そして最後に、ヒントをくれるように彼女は私に目配せを向けた。
「きっと、バロンはまだ物足りないと思いますよ。
誰かが何か差し入れてあげたら、喜ぶのではないでしょうか?」
「!……ローザ?」
何か、作ったら……。
バロン喜んでくれるかな?
仲直り、出来るかな?
彼女の言葉に、まるで今まで解けなかった問題の公式が頭に浮かんでくるようだった。