夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「猫ちゃんいただきま~す」
「……。
味はどうかな?」
「ん~。……もう少し甘くてもいいかも」
と、口では言いつつ。
バロンは次々と私の作ったクッキーを頬張り、30枚程あったクッキーをあっという間にお腹の中へ消して行く。
本当に、よく食べるんだぁ〜。
作った側として完食は嬉しい事だが、ローザの言っていた”バロンは大食い説”を目の当たりにして私は唖然。
「……ダメ!
それ以上甘くしたら、バロン糖尿病になっちゃう」
「アカリと違って、頭使って生きてるから大丈夫だよ」
「!……ちょっ、それどういう意味よ!」
健康を気遣う私に、サラッと意地悪を言うバロン。
ーーでも、憎めない。
「わっ!ちょ、アカリッ……!!
危ない!危ないからっ……!!」
叩こうとする私の手を避けながらも、クッキーを離さないバロン。
ーー全く。
何で、こんなに愛おしくなるんだろう。