夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

(2)


「駄目です」

外出許可を求める為に、ローザの部屋を訪れた私。

しかし。
即答で、拒否された。
表情一つ変えずに駄目と言われた。


自分の父親の事が気になった私は、どうしても自ら調べたくて……。
どんな人だったのかもっと知りたくなって、外出したいとローザに頼んだ。

だが。
先日起こった事件の犯人も未だ分からず、解決していない今の状況でやはり外出許可は出してもらえない。

当たり前だと、分かっていてもあからさまにしゅんとしてしまう。
すると、そんな様子をみたローザは優しく諭すように問い掛けてきた。


「しかも、アカリ様?
アカリ様が行かれたいと申された場所、どれだけ距離があるかお分かりですか?」

「と、遠いのは……分かってます」

私が向かいたいと言った場所。
それは”夢の配達人”の隠れ家があると言われる、大きな港街。
この別荘がある所から、海を越えた先にある場所。

別荘近辺でも警戒されてるのに別の大陸に行くなんて、そりゃ許可なんてもらえないよね。
< 182 / 475 >

この作品をシェア

pagetop