夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
***
いよいよ今日から、お父さんの事について探索。
朝食をすませて、昨日と同様にバロンとお揃いの帽子を被って外に出ると、街中は朝からたくさんの人で賑わっていた。
これだけの人がいるんだもん。
きっと隠れ家を知ってる人、いるよね。
もしかしたら、この中に夢の配達人の人もいるかも知れない。
期待に胸を膨らませながら歩き出そうとすると、グイッと手を引っ張られる。
「アカリ!
一人で歩くなって、昨日も言ったでしょ?」
「っ……」
優しい説教をこぼしたバロンが、昨日と同じように私の手を繋いで歩き出した。
でも。
私の気持ちは、昨日とは少し違う。
彼の言動が自分を子供扱いしているように思えてしまい、嬉しさよりも切なさが勝る。
繋がれた手を、私は握り返せずにいた。
……
…………。