夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
”僕を、見てて?”
そう、言ってるかのように……。
白金色の瞳が穏やかに輝いていて、大丈夫だって思えた。
うん、見てるよ。
貴方を、信じてる!
私は頷いて、微笑んだ。
「っ……調子に乗るなよ!若造!」
見つめ合う私とバロンを裂くような大声。
大男は怒鳴り声を上げると、カウンターから少し離れた小さなテーブルの上にお酒の瓶をドンッ!と置く。
それは、さっきのお酒が入った瓶。
「勝負はウオッカの飲み比べだ。
先にギブアップするか、意識を失った方の負け!……どうだ?」
「いいよ。
じゃあ、始めようか」
バロンは上着を脱ぐと、テーブルを挟んで大男と向き合うように立った。
ものすごい歓声に包まれて、二人の勝負が始まる。