夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
約束を守ってくれた。
私のお願いの為に戦ってくれたバロンを労おうと、歩み寄ろうとした瞬間。
……。
ーーーガッターンッ!!
「!っ……バロンッ?!」
フラついたバロンが、そのまま近くのテーブルや椅子を倒して床に膝を着いた。
「っ……気持ち、悪ッ……」
「だ、大丈夫っ?!」
私は慌てて駆け寄ると、顔を覗き込んでバロンに声をかける。
彼の顔色は真っ青。
血色のない唇を震えながら動かしていた。
「っ……響く。
ちょ、騒がないで………ッ」
さっきまでの平然さが嘘みたいに、顔を自分の片手で覆うようにしてうずくまる彼は、見た事ないくらいに冷や汗をかいてる。
っ……どうしよう。
突然の出来事に、オロオロするしか出来ない私。
周りもさっきの歓声とは違って、ザワザワと困惑したような雰囲気に変わっていた。
ーーすると、そこへ……。