夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「……。
!っ……きゃあぁぁ~っ?!」

少し間を空けて、状況を理解した私は驚きの叫び声を上げながら立ち上がった。
そんな、顔を真っ赤にして慌てる私を見て、バロンはニコニコ。


「アカリ大胆だね。
こんな状態じゃなかったら、食べちゃうよ?」

!……た、食べちゃうって。
バロン、また私をからかってる!

彼のこういうイタズラには慣れてきたつもりだが、惚れた弱みかいちいち反応してしまう。
バクバクと音を立てる心臓を落ち着けながら、心の中で「もうっ」と愚痴をこぼすと私は再び椅子に座った。


「……それで?
お父さんの事はちゃんと聞けたの?」

「あ、うん。
色々聞けて……。来て、良かった」

少々ふてくされ気味の私だったが、そう問い掛けられて先程マスターさん達に聞いた話を思い出すと、自然と表情が緩む。

お父さんを想うと、笑みが止まらない。
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