夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「私よりも、ここにいる誰よりも1番感謝を伝えなきゃいけない人が……。アカリにはいるんじゃなくて?」
「……え?」
首を傾げる私をチラッと見たモニカはその場から少し歩き、テーブルの横にあるクリスマスツリーを見上げた。
バランス良く綺麗に飾り付けされた、見事なツリー。
こんな素敵なツリー、一体誰が?
そう思った私を察するようにモニカが言う。
「これはバロンが、今日の為に用意してくれたんですのよ?」
「っ……バロン、が?」
震える脚でゆっくりツリーに歩み寄り、私もモニカの隣で見上げた。
知らなかった。
いつの間に、こんなに立派なツリーを作ってくれたんだろう?
ーーいや、彼の事だ。
警備の仕事で忙しいのに、きっとパーティーを盛り上げてくれる為に、休憩の合間合間に作ってくれたに違いなかった。
「『せっかくの御招きですが、みんなパーティーに参加してしまったら警備が手薄になってしまいます。どうか、皆様でお楽しみ下さい』」
モニカが私を見つめて、バロンの口調を真似て、そう言った。