夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

私はずっと……。
モニカを、羨ましいと思っていた。
お金持ちで、大切にされていて、素直に我が儘を言える彼女に、私の気持ちなんて分からないと思ってた。


……でも、ようやく気付く。
何も分かっていないのは、私の方だった。

自分の気持ちばっかりで、普通に接しようとしてくれたバロンを避けて……。
モニカの言葉や気持ちにも、耳を塞いで……。

「これでいい」って、勝手に決めつけながら、何度も後悔して……。
なんて、馬鹿なんだろう。


「……行きなさい、アカリ」

自らの過ちに気付きながらも立ち止まったままの私の背中を、モニカは強引に押すと大広間の扉を開けて外に出した。


「クリスマスはね。
大切な人と過ごすのが、一番幸せなのよ?」

「っ……モニカ。
でも、今日は……モニカと」

散々迷惑をかけた上に、せっかく一緒に楽しもうと誘ってくれた友達を置いて行くなんて……。
そんな事は出来ないと、私は振り返ってモニカを見た。
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