夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「……。
その曲の名前、ご存知ですか?」

「ううん。
バロン、知ってるの?」

質問に首を横に振ると、彼はとても優しい瞳で私を見つめて話してくれた。


「その曲は、あるミュージカルの中に使われた歌なんです。
多分。丁度お嬢様のご両親が出会われた頃に、流行ったんじゃないでしょうか」

お父さんとお母さんが、出会った頃に流行ったミュージカル。
それを聞いて、私はピンッときた。


「あ!もしかして……。
デートで、観たのかな?」

「でしょうね。おそらく」

自分の両親がデート。
想像すると、なんか少し恥ずかしい。

でも。
もし想い出の曲なら、お父さんは素敵なプレゼントをしたんだなぁ〜。
って、贈られたお母さんを羨ましく思った。

表情をほころばせる私に、バロンが言葉を続ける。
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