夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「私が、お嬢様に出来るのはここまでです。
真の美しさは、貴女様自身の輝き。
……どうか、自信を持って歩んで下さい」
「……。はい」
私は頷くと、椅子から立ち上がりバロンの方を向いて真っ直ぐと見つめた。
「約束、守るよ。
私もバロンに、格好良い姿見せたい」
いつだって約束を守ってくれたバロン。
大好きな貴方に、誇れる自分で在りたい。
微笑むと、頭を上げたバロンと瞳が重なる。
「……」
何も言わずに、彼も微笑んでくれる。
「頑張れ、アカリ」って……。
言葉に出来ない想いを、伝えてくれてた。
ーーコンコンッ!
「失礼致します」
ガチャッと扉が開いて、一礼したローザが部屋に入ってくる。
私が身体を向けると、彼女は口に手を当てて驚いて……。
でも、すぐに微笑んでくれた。
「!……まあ。
アカリ様、とってもお綺麗ですわ」
「ふふっ、ありがとう」
ローザ。
最初は怖かったけど、本当はすごく優しくて、とても頼れるお姉さんだった。
こんな風に、一緒に微笑み合えるようになれた。
別れるのは、やっぱり寂しい。