夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「……何?
俺が良い男過ぎて、見惚れた?」
じっと見つめる私に、ヴァロンは意地悪そうに微笑む。
その笑顔がなんだかすごく悔しいけど……。
当たってる。
海風になびく白金色の髪。
長い前髪をさり気なく首を振って払う仕草も、絵になる。
「……う、うん」
見れば見る程格好良すぎて、私はぽ〜っと頰を染めながら素直に頷く事しか出来ない。
未だにこんな素敵な人の傍に居るのが、信じられないと言うか……。
なんと言うか……。
「……嬉しい事、言ってくれんじゃん」
「えっ?」
〜〜っ!顔が、近い……ッ。
ハッとした時には遅くて、ヴァロンはあっという間に私の唇を奪う。
ビクッと揺れる私の身体を彼は力強い腕で抱き締めると、すぐに唇を離して間近で見つめた。
「あんま可愛い事言うと、この場で食うぞ?アカリ」
「ッな!……っ〜〜〜!」
く、食うっ?!
食うってッ……これ以上何する気よっ?!
しかも、いきなり名前呼ぶとか反則ッ……!!
すっかりまたヴァロンのペースにもっていかれてしまう。