夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「……。
本当に、いいんですか?」

私は彼を見つめて、尋ねた。


「私の召使いになる、なんて……。
本気で言ってるんですか?」

彼の気持ちは……。
彼が傍に居てくれるのは、嬉しい。
それは私の嘘偽りのない気持ちだ。

けど、昨日出会ったばかりの彼が……。
何故、私の召使いになってくれるんだろう?
同時に浮かび上がる疑問。


「助けてもらった。
それが嬉しかったから……。
そんな単純な理由じゃ、駄目?」

私の心の問い掛けを察するように、彼はそう答えて首を傾げた。
私を見つめる、優しい瞳。


ダメな訳、ない。

彼の答えに首を横に振った。
すると彼は安堵したように笑って、私に条件を提案する。


「よかった!
……でも、もちろんずっとじゃない。
期限は、そうだな……。
僕の記憶が戻るか、来年の君の誕生日。
君が18歳になるまで。で、どう?」

来年の誕生日。

彼の言葉に、少し胸が痛んだ。
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