夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「……。
何か、対策があるんじゃろうな?」
「当然、安心しろよ。
たかが10億。またすぐに稼いで来てやるよ」
微笑み合う私達を見て、さっきとは違う穏やかな口調で尋ねるマスターさんに自信満々に答えるヴァロン。
”俺を信じろ”……。
そう言うように、私の手をギュッと握ってくれた。
うん、大丈夫。
ヴァロンと一緒なら、大丈夫。
私も返事を返すように、手を握り返す。
「なら、もう何も言うまい。……アカリさん」
「!……は、はい」
「うちの問題児を、よろしく頼むよ」
マスターさんが私達を祝福してくれるように、微笑ってくれた。
なんだかヴァロンの家族に認められたみたいで、涙が出そうな位嬉しかった。
……でも、この後。
ちょっとした事件が起こるのだった。