夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
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「……おい、アカリ。どれがいい?」
「……へ?」
隠れ家を後にした私達がやって来たのは、港街にある繁華街。
ヴァロンに「連れて行きたい場所がある」と言われて、よく分からず付いてきた私は茫然。
「『へ?』……じゃねぇよ。
好きなの選べって言ってんだよ」
「……す、好きなの?
好きなの、って……。これ、って……」
驚く私の目の前に広がるのは……。
店中に飾られた、キラキラと純白に輝く美しいウェディングドレス。
突然すぎて、頭がついていかない。
ゆっくりと今自分が置かれている状況と、ヴァロンの言葉の意味を整理する。
えっ、と……。つ、つまり……。
この中から私に「ウェディングドレスを選べ」って……事?
……。
ーーーえっ?!
っ……えぇぇ~~~~ッ!?
思いもよらなかった急展開!!
驚き過ぎて、私は声にならない叫び声を内心であげていた。