夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
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「な、アカリ。お腹空かねぇ?」
買い物がひと段落ついた夕方。
なんとか終わった買い物に、「ふ~っ」と息をついた私の顔を覗き込みながらヴァロンが尋ねてくる。
「え?あ、そう……だね。
喉渇いたし、確かに少し休憩したいかな」
お腹が空いたと言うよりは、船旅から休まずいっぱい歩いて少し疲れていた私は素直に答えた。
食事とまでいかなくても、そこら辺の花壇にでも座って一休み出来たら……。
と、思っていた私だったが、その考えは甘かった。
”自分の提案に賛同してくれた”とばかりに、彼は表情を輝かせる。
「じゃあさ、今日は食べて帰ろう?美味い店があるんだ!」
「!……えっ?」
ヴァロンの言葉と様子に”まさか!”と悪い予感がした時には、時すでに遅し。
彼は嬉しそうな笑顔で私の手を取ると、弾むような早足でお店に向かって歩き出した。
……
…………。