夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
ーーそして。
やはり、予感は的中。
着いたお店は私の住んでいた町では見た事もない、外観からして高そうな飲食店。
大きな窓ガラスで囲われた建物は外からも店内の様子が丸見えで、お洒落な雰囲気にキラキラのライトの下。自分とは正反対に上品そうな人達が食事を楽しんでいる。
こんな店、場違いだよ。
そんな想いが頭に浮かんで、冷や汗が出てくる。
しかし。
躊躇する私の手を引いてヴァロンは店内に入ると、店員さんに案内してもらった席に座らせてくれて、ニコニコしてメニューを渡してきた。
「何でも好きな物食って?ここ、どれも美味いからさ」
「っ……うん」
席に着いてしまったし、おまけにご機嫌なヴァロンに勧められて、もう後には引けない。
私はおそるおそるメニューを開いてみる。
また、予感的中。
どれも、高い。
飲み物だけで、こんなにするの?
……って、私には感じてしまった。