夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

しかし。
ある言葉が、気になる。


……ん?
ヴァロン、今……お風呂って言った?

!っ……お風呂ッ!?

「ま、まだっ……早くないッ?!」

”お風呂”という言葉に過敏に反応してしまった私は、思わずソファーから立ち上がりヴァロンから離れた。

この流れでお風呂。
恋人→夜→二人きりで過ごす……。
となれば、恋愛経験がほとんどない私にも展開が予想出来る。

するとこれからの展開を察した心臓が、さっきとは違うバクバク音を立て始めた。


「早いか?もう、21時近いぜ?
……じゃ、俺先に入っていい?」

ヴァロンは私を見て首を傾げると、壁に掛かった時計を確認し、ソファーから立ち上がってお風呂の準備を始める。


「う、うんっ。
お先に、どうぞ……」

「あ、冷蔵庫の飲み物とか飲んでいいから」

「あ、ありがと……」

そんな会話を交わして……。
ヴァロンは、お風呂の方に消えて行った。
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